加水分解したテント(アメニティドーム)を頑張って復活させた記録
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長男が生まれて少しして購入した「スノーピーク アメニティドームM」。
購入と同時に長女の妊娠が発覚したことで2019年8月の立原高原オートキャンプ場で初張りするまで10年間お蔵入りしていたテントです。その時点で未使用でも加水分解していたので、いつかは補修などをして復活させたいと思っていましたが重い腰がなかなか上がらず2022年まで放置してしまいました・・・。

ところが次男とデュオキャンプすることが急遽決まり、どのテントを使おうか色々検討した結果2つのテントが候補になりました。

  • スノーピーク アメニティドームM
  • Eureika! BPドームテント

 

どちらも古いテントですが、アメニティドームMはほぼ未使用。BPドームテントはチャリダーだったときに散々使い倒して加水分解は通り越している状況だと思われます。1度もべたつきも臭いもなかったですけどね。

どっちでも2人で使うには十分な広さのあるテントなので取り合えず2つのテントを普通に使える状態に復活させるべく頑張ってみます。今回の記事では「スノーピーク アメニティドームM」を復活させることに全集中しています。

 

 

※参考にさせていただいたサイトは「本気でテントをメンテする。洗浄・撥水・そして加水分解の修理と対策」と言うサイトです。長年の研究の結果辿り着いた方法のようですので安心して挑戦できました。

 

この記事の目次

加水分解の酷いスノーピーク アメニティドームMを復活させる

 

上が「スノーピーク アメニティドームM」で下が「Eureika! BPドームテント」です。

まずはテントを綺麗に洗浄してつつ、防水・撥水を復活させます。
実際に作業してみて分かったのは、本当に長く辛い作業が続きます。根気と根性、そして時間が必要です。

 

では早速作業を開始。

 

状態確認

 

まずはテントの状態確認。フライシートとインナー共にべたつきがあり加水分解が進んでいるのがわかります。
写真では確認しづらいですが、結構べたつきます。

 

 

シームテープはしっかりついていますが、見るからべたついてそうですよね。

 

 

ただ撥水はしっかりしていて、水をかけると写真のようにしっかり弾きます。

こんな状況でもこれからの作業を頑張れば快適に使えるまで復活させることができました。作業時間は1週間です。
毎日2時間ぐらい作業しているので結構心が折れます。
洗浄・撥水作業だけなら1日でできますけどね。その後の鬼のような作業が・・・この時は知りませんでした。

 

水洗い

 

最初は洗剤を使わずに水洗いします。この作業はテントについているゴミや虫の死骸を取り除く作業です。
3泊しかつかっていないテントでも結構汚れていたので、長年使っているテントだと覚悟が必要です。

 

 

フライシートを水に沈めて泡が出ないことを確認。この時ブクブク泡が出てくると防水が死んでいる証拠になります。
「Eureika! BPドームテント」は縫い目から泡がブクブク出てきたのでシームテープが死んでいる証拠でした。

 

 

何とか4パーツ(アメニティドーム2つ・EBPドームテント2つ)の水洗いが完成しました。
今回は浴槽で洗いましたが、結構なゴミや虫の死骸が浮いていたので外で作業できる場合は風呂ではやらないほうがいいですよ。

 

NIKWAX(ニクワックス) テックウォッシュで手洗い

 

 

続いて「NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ」を使って手洗いします。

 

 

今回は45リットルのぬるま湯に300ml全量使って洗います。

 

 

ここでは、もみ洗いをします。あまり強くもむ必要はないと思います。生地の防水性を確認しながら洗います。
空気が抜けませんのであまり強くするとテント生地を破損させることがあるかもしれませんので、間違っても足を踏みつけて洗わないよう。面倒でも手洗い必須です。

 

 

洗い終わったら綺麗な水でしっかりすすぎます。
この時点でテントは綺麗に洗われ撥水が復活しているようですが、このまま撥水作業に取り掛かります。

 

ちなみに今回、2つテントを洗いましたが水洗いしたのに「NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ」を使ったら浴槽が恐ろしいことになりました。

 

 

茶色の水が・・・・。
この後、めちゃくちゃ浴槽を洗いました!

 

NIKWAX(ニクワックス) ダイレクト ウォッシュインで撥水加工

 

これ凄いですよ。試しに撥水性のまったくない「ヤッケ」をつけ洗いしたら合羽みたいに撥水しました。

 

 

しっかり容量を計ってぬるま湯に混ぜ込みます。

 

 

生地全体に液剤が行き渡るように液剤にくぐらせるようにしっかり馴染ませます。

 

 

しっかり馴染ませて液剤が上げると撥水しているような感じがします。
トリセツにはすすぎ工程がありますが、すすがない方法で書かれていたので私もすすぎをせずこのまま干して乾燥させます。

 

 

 

テントを干している時点でしっかり撥水されているのか、すぐに乾いたような手触りになりました。

 

 

驚いた事に手も滅茶苦茶、撥水している!!これは洗剤で手を洗ったら取れちゃいましたが凄い効果ですね。

 

 

乾燥したテントインナーを見てみるとか水分分解して所々PU(ポリウレタン)が剥げてきているのが分かります。
でも、この時点ではベタツキは完全になくなりサラサラになっています。

但し、このままでは空気に触れている以上また加水分解が始まりますので、これからの工程で加水分解を防いでいきますが、地獄の始まりまです。覚悟して作業にとりかかりましょう。

 

シームテープ貼りとひたすらアイロンがけ

 

「NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ」と「NIKWAX(ニクワックス) ダイレクト ウォッシュイン」でテントを洗った結果、シームテープが剥げてしまいました。これは想定外だったので、新しいシームテープは注文したけど、今回はこの剥がれたシームテープをアイロンで再度貼り付けて補修します。

 

 

アイロンがけの際は必ず当て布をしましょう。

 

 

お気づきの方もいると思いますが、アイロンがけすると白く汚れているように見えるフロアが綺麗になります。

 

 

こんな感じのフロアもアイロンをかけると

 

 

結構綺麗になります。つまりインナーテントのフロアは全てアイロンがけをした方が綺麗に仕上がるということです。
これが本当に大変です。アイロンは低~中で当て布をして永遠とアイロンがけをしました。途中で何度も心が折れそうになったのでスマホで「負けないで」を流しながら気合で乗り切りました。

 

.

フライシートのシームは所々はげている状態だったのでコチラもアイロンで補修しました。

 

 

フライのほうはあまり汚くなかったのでアイロンがけは簡単に本当に簡単にかけて終了しました。

 

 

注文していたシームテープが届いたので、完全に剥がれてしまった箇所の補修をします。

 

 

長さにカットして、ザラツいている面がアイロンをかける面で、ツルツルしている面がテント生地に貼りつく面なので間違わないようにセットしてアイロンがけしましょう。勿論当て布必須です。

 

 

これで、取り合えずフィールドで使える準備が整いました。フロアの見た目はアイロンがけしたとは言えそれほど綺麗にはなっていませんし、このまま使っていくと近いうちにまた加水分解が始まるので、コーティングしてPU面が露出しないように仕上げます。

 

テントにワックスがけ?!

 

頑張ってアイロンがけした結果、写真のように仕上がりました。この状態でべたつきは一切なくサラサラした手触りですが、このまま無防備ではまた加水分解してしまうのでワックスでコーティングします。

 

 

使うのは「リンレイ ハイテクフローリングコート 1リットル」です。Amaoznで1L 1,500円。
アメニティドームMのフロア面とフライシートの2度塗りなら1本でギリギリ足ります。

 

 

バケツにワックスを入れてスポンジで塗っていきます。

ワックスを塗ると・・・

・・・・・!!!!。

 

 

 

すげー綺麗になります。

左がワックス塗ったばかり、右はワックス塗る前です。
ワックスが乾いていませんが、見違えるように綺麗になっています。

 

 

1回目が塗り終わりました。
しっかり乾燥させたら2回目を塗ります。

 

 

ワックスが乾燥してもワックス前のような粉っぽい見た目はかなり改善されています。
2回塗りしたらもっと綺麗になるのかな?

 

 

2回目のワックスを塗り終わりました。

 

 

1回塗りと見た目は大きく変わりませんが、明らかにコーティングされているのを実感できる感じでパリパリに仕上がっています。パリパリ感はあるけど手触りはサラサラでこの前まで加水分解でベタベタしていたとは思えない仕上がりになりました。

 

続いてフライシートも

 

 

大きいので少しづつずらしながらワックスを塗りました。インナーフロアのように簡単には塗れませんでしたが何とか1回塗り完了。

 

 

しっかり乾燥させてから2回目も塗り終わりました。フライシートもフロア同様しっかりコーティングされているようにパリパリに仕上がりました。

これで何とか次男とのデュオキャンプ前日までに出来ました。
丸々1週間、スキマ時間を見つけては作業しました。

 

キャンプに間に合った

キャンプの予定の1週間ほど前に材料の手配をして作業を行いギリギリキャンプ前日に作業が全て終わりました。
そしてなんとかキャンプに間に合いました。

 

 

写真じゃ全く加水分解はわかりませんが、以前のようなベタツキも臭いもなく快適に過ごせる空間が出来上がりました。

 

 

ワックスを厚塗りした訳ではないのですが、フロアに結構しっかり皺が見えるようになりました。これはワックスの影響だと思いますが、加水分解しているより全然OK。皺があっても困ることはありませんからね。

 

 

今回は快晴だったので雨が降ったときにどうなるか少し不安ではありますが、洗う際に水に漬けても空気が抜けるようなことも無かったので、防水には問題ないと思いますけど実際に雨の中で使ってみないとどうして不安は払拭できません。

今回私として初めてアメニティドームMを使ってみましたが、設営の簡単さ空間の広さなど3人から4人家族のキャンプデビューには丁度良いサイズのテントだと思いました。今は大型のテントが主流になりつつありますが、やっぱり悪天候や強風時はシンプルなドームテントが安心のように私は感じます。

スカートがないので3シーズン用となると思いますが、今後は次男とのデュオキャンプの回数も増えそうなのでこのテントの出番も増えるかな。

 

加水分解テントを復活させて感想

半ば諦めていたアメニティドームが普通に使えるようになりました。
1週間と言う長丁場での作業になりましたが、頑張った甲斐がありましたね。まだ、ヨーレイカのテントは作業中で辛いシームテープ貼りなどが残っていますが、焦らずゆっくり作業します。

洗剤や撥水材、ワックス、シームテープなど綺麗に仕上げる為にはそこそこお金をかける必要がありますが、新しいテントを買うことを考えれば安く綺麗にできます。

また、今作業しているヨーレイカのテントのように思い入れのあるテントが復活するのは嬉しいですよね。
20年ほど前にヘビロテで使っていたテントが再度使えるようになりますかね。

ただね、軽い気持ちで作業に取り掛かると結構挫折しちゃうかもしれません。
なので作業する時期は夏は絶対に避けましょう。暑さできっと挫折します。秋や春がおすすめシーズンですね。

 

思い入れのあるテントが加水分解してしまって倉庫にしまってある方は、是非テントを復活させてあの頃を思い出しながらキャンプしてみましょう。きっと思い出がよみがえりますよ。

 

今回使った材料は以下の通り。楽天市場やYahoo!ショッピングでも販売されていますが、やっぱりAmazonが1番安いので特に購入先にこだわりがなければAmazonで材料を購入するのが1番安くできる方法だと思いますよ。

 

 

 

 

 

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