年末年始の休みを利用してオール真鍮製の打ち込み式ランタンハンガーを自作することにしました。
打ち込み支柱は鉄製の方が強度もあるし、溶接できるので作りやすいのですが、オール真鍮にこだわって作成です。
一部、銅線を使っているのでオール真鍮とはいきませんでしたが、がんばってみましたよ。
本当は4連休だったのでキャンプに行きたかったのですが、長男が受験なのと、予約がとれなかったので裏山の開拓と自作で休日を満喫です。
この記事の目次
オール真鍮製ランタンハンガーを自作
金属に限らず、木材の価格も高くて簡単に自作が出来なくなってきている今日この頃。
自作するより既製品を買った方が安かったりしますが、真鍮製のキャンプギアは買うと高いので自作に限ります。
とは言え、1mの角材でも1,000円オーバー、サイズによっては2,000円オーバーなので失敗が付きまとう自作ではなかなか手が出しづらくなってきているのも事実ですよね。早く1本800円ぐらいだった頃に戻って欲しいと願っています。
自作に使った真鍮材はこちら
- 真鍮四角棒 約6mm×6mm×長さ1000mm:1,639円
- 真鍮丸棒 約7Φ×長さ1m:1,419円
- 真鍮パイプ 約8Φ×0.5mm×長さ1000mm:1,089円
以上で4,147円と自作なのに材料費だけでも結構かかります。1年ほど前なら半額程度だったのに最近は真鍮が高くて困りますね。これだったら綺麗な製品な分既製品の方がいいかもって思っちゃいますね。
打ち込み部の作成
まずは真鍮パイプを100mmでカットします。グラインダーでカットしてもいいのですがパイプなので糸鋸でゆっくり切って潰れを回避します。
ただね、腕が悪いのでなかなか綺麗にカットできない・・・・。
10分ぐらいかかってきり終わりました。Youtubeの動画みたいに簡単に真鍮を糸鋸で切ってみたい!
今日一の難所、ロウ付け
今回の打ち込み式ランタンハンガー自作のおいて一番の難所となるロウ付けです。
ロウ付けってやる機会が少ないのもあるけど、本当に難しいYoutubeみたいに早く綺麗にロウ付けできりょうになりたい!
先ほど切ったパイプを約7Φに銅線を使った固定します。
真鍮用のロウ付けセットを準備したら
約7Φだけを先に温めて、フラックス落として、今度はパイプと丸棒共にガスバーナーで加熱してロウ付けします。
は~~・・・・・。
酷い見た目になっちゃいました・・・・・。
一応、ロウ付けは出来たようで、銅線を取り除いてもしっかりくっ付いています。外れないか捻ってみましたがしっかり付いていました。
このままでは、流石に見た目が悪すぎるので酸洗浄してみることに。
焼けた真鍮なら焼けが取れるので、多少は綺麗になることを期待。
酸洗浄終了!黒い焼けは取れましたが全体的にまだまだ酷い見た目なのは変わりません。
真鍮ブラシで磨くと、焼けただけならかなり綺麗になるので期待してブラシで磨きます。
かなり綺麗になりましたが、ブラシで取れない汚れをグラインダーで磨いてみます。
うん、まぁ~綺麗になってきました。
最後にバフで磨いて
かなり綺麗になりました。
この状態で使う訳ではないので磨きはここで終了です。
打ち込み部の強度アップと化粧
一応ロウ付けは出来ているようですが、強度的に不安もあるので強度アップを図ります。
本当は真鍮線の方が一体感がでそうですが手持ちの真鍮線は2mしかないので足りない可能性もあるので、長さがある1.6mmの銅線を巻きつけて強度アップを図ります。
スキマができていますが、全然OK。
もっと太い銅線なら見た目ももっと良くなるかも。
一応ロウ付けもできたので、失敗した時の為にカットしていなかった1000mの丸棒を400mmにカットします。
カットできたら先端(土に打ち込む方)を尖らせます。
あまり尖らせても強度がないので写真のように先端は尖らせていません。
これで打ち込み部の完成です。
7Φと少し細いので心配ですが、オイルランタン程度の重さであれば耐えてくれるでしょう。
ハンガー部の作成
ツイスト加工
ハンガー部は6mm四角棒をツイスト加工します。ツイスト加工することで強度も増すし男前な見た目になりますからね。
万力にセットして耐火レンガで熱が逃げるのを防止したらバーナーで過熱してツイスト加工していきます。
写真には写っていませんが、ツイスト加工する際は「タップハンドル」があると重宝します。
真鍮に対してしっかり固定できるし、ハンドルもあるのでツイスト加工が楽にできます。
1000mと長かったですが、ツイスト加工完了です。
ハンガー加工
8Φのパイプですが、6mmの四角棒はそのままでは挿入できないので4隅の角を落として挿入できるように加工します。
8角棒になるイメージで削ると
ジャストフィット、あまりゆるいとふらつくのちょっとキツイぐらいが丁度いいですね。
この後は真っ直ぐの四角棒を、焼きなまししながら成型していきます。
ハンガー成型
差込部の角度をつける為に「焼きなまし」をして真鍮を柔らかくします。
※真鍮の焼きなまし:真っ赤になるまで加熱したら一気に水で冷まします。そうすることで加工しやすくなります。
焼きなまししたら万力に挟んでいい感じに曲げます。ここは感覚です。
曲げながら差込口に挿入して角度を調節。いい感じの角度になったら完成、後ほど微調整はできます。
続いて「九の字」に曲げるので長さを決めます。今回はオイルランタンを吊るすことを前提をしているので下部の九は430mmぐらいになるように加工します。
焼きなましをして、色々曲げたりしたら
こんな感じになりました。
そろそろ最終成型に入るのですが、曲げきってからでは先端の加工ができないので曲げきる前に先端を加工します。
ランタンを吊るすフック部はリングとS字フック的な物で作成しようかと思っていたんだけど、このまま丸く加工しても面白そうだなって思って一体型で作成することにしました。
まずは先端部をグラインダーで加工して
しっかり焼きなまししたら
Sフックを作成していた時に自作した「治具」にセットして曲げます。
こんな感じに曲げたら、最終的に成型して完成です。
オール真鍮製ランタンハンガー完成
オール真鍮製ランタンハンガー完成です。まだ、磨いていないので1/3完成かな?このサイズだとピカピカに磨くには丸1日やってもピカピカになる気がしない・・・。
このままでも良いかもだけど、やっぱり磨くんだろうな私は・・・。
取り合えず組み立ててみる
お~!オイルランタンを吊るせた!!!ちょっと強度的に不安はあったんだけで全く問題なさそう。
地上から700mmほどの高さなので、焚き火の脇そっと添える感じだとかなりいい感じになるような予感がします。
ランタンのベイルハンドルも真鍮で自作しているんだけど、ベイルハンドルはピカピカ仕様だから、やっぱりハンガーも1度はピカピカにした方が良さそうだな。
今度のキャンプで焚き火の脇にそっとそびえ立たせてみようっと!ここまでなら3時間ぐらいで作れるんだけどね。
ここから地獄の磨き作業の始まりです・・・・。
ハンガー部をピカピカに磨けたら追記しますね。
ランタンハンガーをピカピカに磨く
いい感じに仕上がった真鍮製ランタンハンガーですが、折角なのでピカピカに磨くことにしました。
酸処理
まずは黒く焼けた汚れを取る為に、塩酸につけて汚れを落とします。
酸処理の後は中和処理(苛性ソーダ)を必ず行ないます。
写真右が酸処理後、左側は未処理です。しっかり焼けが取り除けていますね。
酸処理しただけでは、真鍮はくすんでいて輝きがありません。所々焼けて銅(ピンク)が現れているのでこれも綺麗にします。
真鍮ブラシ処理
最初は真鍮ブラシでくすみを取り除きます。
私が使っている真鍮カップブラシは線が細いので、本体(ハンガー)を傷つけづに綺麗にできます。
写真のように軽く磨くと
写真のように輝いてきました。
全体を真鍮ブラシで磨くと先ほどとはうって変わって輝いているのがわかると思います。
このままでも全然綺麗なのですが、もっと綺麗にして真鍮らしさをアップさせます。
その為に使うのがこの「両頭グラインダー」。
バフがけで仕上げる
使う布バフはこの黄色いヤツ。
白バフだとすぐに減ってしまうので、私はもっぱら黄色い布バフを使っています。
青棒を塗ったら、ハンガーを当てて磨いていきます。
見てくださいこの輝き!
真鍮ブラシだけでも結構綺麗でしたが、バフをかけることで一段と輝きがアップします。
少し鏡面っぽくなっています。
全体的にバフがけしたら完成。
もっとピカピカの鏡面にする場合は、ツイスト部も綺麗に磨けるルーターで磨く必要がありますが、これはここまでで完成です。
磨き完成
今回は土ではなく、くぬぎの木に穴を空けて真鍮を差し込んでみました。
写真ではあまりわかりませんが、かなり良い感じですよ。
アップで撮影すると、太陽の陽光を浴びてキラキラ輝いてとっても綺麗。
夜になるとランタンを光を反射してきれいになると思います。
これにてオール真鍮製ランタンハンガーの完成です!!
制作費4,000円でこの仕上がりなら大満足!
皆さんも、真鍮を使ってキャンプギアを自作してみましょう。真鍮は鉄やステンレスと比べ加工しやすいので、DIY初心者でも挑戦しやすい素材だと思いますよ。