アウトドアの定番ナイフ「OPINEL」。120年の歴史のあるフランスのナイフでサイズが豊富に用意されており、価格も手ごろと初心者でも扱いやすいナイフなので持っている方も多いはずです。
OPINEL (オピネル) 折りたたみ ナイフ カーボン スチール #9 フランス製
オピネルはステンレス、カーボンスチール(炭素鋼)の2種類あり、ステンレス素材であれば錆の心配はほとんどありませんが、カーボンスチール(炭素鋼)の場合はこまめに手入れをしないとすぐに赤錆が発生して大変なことになります。
そこで、この記事ではオピネルのカーボンスチール(炭素鋼)を出来るだけ長持ちさせる為に、黒錆加工とオイル仕上のやり方を画像つきで詳しく解説します。
この記事の目次
オピネル 黒錆加工とオイル仕上に必要な道具&物
それでは黒錆加工とオイル仕上に必要な道具を紹介します。黒錆加工だけなら殆どのご家庭にある材料で行うことができるので黒錆加工だけでもオピネルを購入したらやってくださいね。
- 酢
- 紅茶
- アマニ油(クルミ油などの乾性油であればOK)
- フリーザーパック
- ハンマー
- プライヤー
- テープ
- 六角
- パーツクリーナー(写真にはありません)
- 針金(写真にはありません)
- ウエス(写真にはありません)
- 紙やすり(写真にはありません)
- グラインダー OPINELによっては必要ない?(写真にはありません)
ちょっと時間がなくて焦って用意したので、写真の撮り忘れがありますね。
それでは作業に入りましょう。とその前にオピネルのカーボンスチール(炭素鋼)を購入した直後はそれほど切れ味がよろしくないので、しっかり研ぎましょうね。黒錆加工してから刃を研いでしまうとせっかくの黒錆まで無くなってしまって再度、黒錆加工をする羽目になってしまいますので、必ず黒錆加工の前に刃を研ぎましょう。
オピネルの分解
分解せずに黒錆加工&オイル仕上げをすることは可能ですが、折角なら分解して隅々まで黒錆加工するほうが後ほど困りませんので分解して加工することをおすすめしますが、時間がない方や面倒な方は分解せずに加工することが出来、時間短縮になると思います。
刃を研いだオピネルの刃をパーツクリーナーを使って綺麗に油分を取り除きます。食器洗い洗剤で洗ってもOKです。
要は刃を保護している油分を綺麗に取り除くことで美しい黒錆で仕上げることができます。
はじめにブレードのロックパーツをはずします。はずす方法は写真左のようにブレードをロックした状態にします。
その後、ロックした状態でブレードを開くことでロックパーツがはずれます。
その際ロックパーツが何処かに飛んでいかないようにテープでしっかりと止めましょう、テープで止めておかないと本当に遠くに飛んで行きます。 また、ブレードを出すときは手ではなくプライヤーを使いブレードを出しましょう。手で行うと万が一手が滑ったときに怪我をする恐れがあります。
これで第一関門突破です。引き続きブレード止めているピンを抜いていきます。
続いてブレードを止めているピンを抜きます。OPINELマークのない方をポンチや六角をあててハンマーで叩けば抜けるはずだったのですが、私の購入したオピネルはどうやら少し潰れていて(わざと?)抜けなかったので、グラインダーで少し削ってから六角をあててハンマーだ叩くことでピンが抜けました。
グラインダーで削ったのはOPINELマークの無いこちら側です。少しだけ削ればいいので削りすぎには注意しましょう。
無事に全てのパーツをばらすことに成功です。この後、ブレードは黒錆加工、グリップはオイル仕上げを行います。
オピネル黒錆加工
では目的の黒錆加工の準備に入ります。
アウトドアっぽく「EPIgas REVO」を使ってお湯を沸かして紅茶を煮出します(この時紅茶は濃い目に煮出しましょう)。
EPI(イーピーアイ) REVO-3700ストーブ(日本製) S-1028
「EPIgas REVO」は重量わずか110gと少しでも荷物を減らしたいテント泊登山には必須のアイテム。強風が吹いていても火が消えることなくお湯を沸かすことができるので、標高の高い登山に重宝するアイテムです。
最近はファミキャンが多くなっているので、出番が減っているので点検がてら使ってみましたが、やっぱり最高のアイテムですね。
紅茶と酢が3対1になるように容器に入れて、ブレードに穴に針金を通して全体が漬かるように沈めます。
この時の液体の色をよぉーく覚えておいてくださいね。
この状態で1時間~2時間放置しましょう。
この写真は左は1時間後、右が2時間後の液体の状態です。ブレードと液体が反応して色が黒ずんでいます。また、泡がけっこう出ます。
右の写真の状態になれば黒錆加工終了の合図。
ワクワクしながら針金を引き上げましょう。
じゃーん!出来上がった黒錆加工済みのブレードです。若干色むらがありますが、これも自作の味わいということでOKですね。
これでブレードの黒錆加工は終了。続いてグリップのオイル仕上げに入ります(黒錆加工中に出来ちゃいます)。
ブリップのオイル仕上げ
特に難しい作業はありません。
注意点としては、乾性油(アマニ油やクルミ油)を使うこと!不乾性油(オリーブオイル・つばき油など)を使ってしまうと乾燥せず、いつまでたってもベタベタとなってしまうので注意しましょうね。
ただ乾性油(アマニ油やクルミ油)は高いのが欠点、Aamzonでも結構いい値がするので、できれば他の木製製品も一緒にオイル仕上げしちゃいましょう。
やり方は簡単。
フリーザーパック(100均製)にグリップを入れて、グリップが漬かる程度のアマニ油を注いで一晩放置するだけです。
私は息子のステンレスブレードのオピネル(20年物)も一緒に漬け込みました。
24時間以上後、アマニ油から取り出したグリップに付いた余分な油をキッチンペーパーで拭き取ります。
新品のオピネルは色が変わりませんが、20年物のオピネルは随分と黒ずんだ色に変わりました。
アマニ油を拭き取っても油ぎっているので、この状態でまた24時間乾燥工程に入ります(放置します)。
オピネルの組み立て&完成
しっかり乾燥していればさらっとした肌さわりとなっているはずです。
まだ、湿っていたりべたつく場合はもう少し乾燥してみましょう。
かなりピントがあっていませんが、ブレードを合わせてピンを打ち込みます。この時打ち込む方向を間違わないように注意。
OPINELマークがあるほうからピンを打ち込みましょう。
最後にロックパーツをはめ込めば完成です。取る時は大変だったロックパーツですがはめ込むときは簡単にはまりますよ。
組み立て完成
黒錆が映えるように白い台の上で撮影しました。
若干、黒錆にムラはあるもののかっこいい仕上がりになりました。
今後は刃を研いだ時など、定期的に黒錆加工することで綺麗な状態を維持することができます。
手間と思うか道具を育てる楽しみととるかは人次第だと思いますが、アウトドアで使う道具は手間をかけるほど愛着が湧くので、比較的安いナイフですが黒錆加工&オイル仕上げで長く使えるアイテムへと変貌させてあげましょう。