真鍮角棒を使って無骨なS字フックを自作してみた
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過去に鉄筋を使って無骨なS字フックを作りました。

 

鉄の加工は高温が必須なので、この暑い夏には向かない作業となります。
そこで目を付けたのが真鍮。真鍮は面白い素材で1度焼きなましを行うと加工硬化するまで比較的自由に加工することができます。また、真鍮の融点は800度と鉄に比べ圧倒的に低いので400度に達すれば面白いように加工することができます。

 

 

では、今回は真鍮を使ってS字フックを作ってみました。興味がある方は一緒に無骨なS字フックを作ってみましょう。

 

この記事の目次

メルカリでお安く真鍮角棒を購入

 

今回はたまたま見つけた真鍮3mm角棒が安く販売されていたので購入してみました。
長さは200mmとS字フックにするには最適な長さです。

 

 

届いた真鍮はくすんでいたので、ピカールで磨いてみます。

 

 

左がピカールで磨いた真鍮です。やっぱり磨くと光るのが真鍮きれいですね。
って、これから火を入れるので磨いた意味はありません・・・。

 

真鍮をツイスト加工して無骨に変身

最初の作業は真鍮をバーナーで炙って焼きなましを行います。

 

 

早速、万力に挟んだ真鍮角棒をバーナーで炙ります。
1度に全体を加熱してしまうと全体が柔らかくなってしまうので、ツイスト加工する場所を選んで部分的に加熱します。

 

 

ツイスト加工の必需品(私の場合)「タップハンドル」。
これがあるとツイスト加工が綺麗に簡単にできます。

 

 

 

赤くなるまで「焼きなまし」した真鍮にタップハンドルを装着して

 

 

捻ると、ご覧の通り軽い力でねじれていきます。あまり力を入れると簡単に捻じ切れてしまうので注意が必要。
私は慣れるまでに3本ほど捻じ切ってしまいました。

赤く熱した状態で捻れば切れる心配はありませんよ。

 

 

バーナーで炙る、捻るを繰り返して好みのツイスト加工を施します。

で、完成したのがコチラ。

 

 

どうです。角棒に比べると一気に豪華になったような気がしますよね。
次の作業は両サイドを玄翁で叩いてある程度尖らせます。

 

熱して叩いて鍛冶作業

 

ツイスト加工を施した真鍮の両端を今度は叩いて細くします。

 

 

真っ赤になるまでしっかりなましたら

 

 

 

あまり力を要れずに少しづつ成型していきます。
あまり力を入れてしまうと割れます。割りました・・・。

 

 

写真の感じになるように成型しました。

 

 

両端を叩いて細くすることで200mmだった角棒が205mmになりました。叩いて5mm伸びたことになります。

 

 

次にグラインダーを使ってもっとしっかり尖らせます。

 

 

今回は両端を曲げるので、しっかり尖らせました。

 

焼きなまし+磨き+S字フックへ

 

両端を尖らせたらいよいよS字フックに成型する準備。
しっかり全体をバーナーで加熱して「焼きなまし」を行います。

 

 

焼きなまし完了。
このまま加工してしまうと焼けて黒くなった模様や焼けてくすんだ色のS字フックになってしまうので、成型前に磨きます。
S字フックにしてからだと綺麗に磨けませんからね。

 

 

青砥とバフで磨きます。

 

 

真ん中が磨いた角棒です。写真ではわかりにくいですがピカピカに輝いています。
全部綺麗になるまで磨きました。

 

 

自作した治具を万力にセットして加工した真鍮角棒をセット。
グッと力を入れて

 

 

S字フックに成型します。

 

 

5個全て成型完了。治具を使っても全く同じ形にはなりません・・・修行が必要だ。
このままでもS字フックとしての機能はあるのですが、このままでは先端が尖っていて怪我をしてしまうのでクルッと丸めて安全に考慮。

 

 

万力にセットして

 

 

バーナーで真っ赤になるまで炙り、真っ赤な状態でラジオペンチを使ってクルッと丸めます。
真っ赤な状態で加工しないと欠けます。

 

 

あまり上手に加工出来ませんでしたが、これで怪我の心配がなくなりました。

 

 

5個とも先端を丸めて完成です。
ただの3mmの角棒が結構いい感じに仕上がったと思います。

今回は3mmの角棒ですので少し華奢ですがハリケーンランタン程度の重さであれば全く問題なく吊るすことができます。
鉄に比べ真鍮は加工しやすいので金属加工に興味がある方は真鍮から始めるとハードルが低いかもしれませんよ。

 

次回のキャンプでフィールドデビューを待ちます。

 

 

おまけ 蚊取り線香立てを作る

 

ツイスト加工を施す際に勢い余って折れてしまった角棒は「ロウ付け」して蚊取り線香立てに加工してみます。

 

 

こんな感じにロウ付けします。

 

 

フラックスを付けてしっかり接合ぼ材を加熱。そしてロウ棒でロウ付け。

 

 

接合部が全く別の素材のようになってしまいましたが、しっかり接合できました。
ロウ付けは難しくて苦手です。なかなか練習する機会もないのでいつまでたってもこんな仕上がりです。

 

 

でも安心。見た目が悪い接合部には銅線を巻きつけて目隠し&強度アップをはかります。

 

 

これで、汚い接合部は見えなくなり、強度もアップしました(多分・・・)。

 

 

最終成型する為にバーナーで加熱して

 

 

形を整えたら蚊取り線香立ての完成です。

まあまあいい感じかな?
今度畑作業時に使ってみることにします。

 

夏でも真鍮の加工であれば必要な熱量が鉄に比べて圧倒的に少ないので苦もなく楽しく作業できます。
ただね。ガスバーナーを使って加熱しているのですが、ボンベの値段が高くなってきているのが気になります。

1本100円ほどで買えていたのに、いつの間にか1本200円ほどに高騰しているので、真鍮の加工などガスボンベを使う方は価格が高騰する前にまとめ買いしておくのが無難かもしれませんよ。私もまとめ買いしておきました。

 

 

 

 

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