
前回までに何とか基礎+土台まで完成した石窯つくり。
今回は、精神の時の部屋に紛れ込んだかのような錯覚と戦いながら正に精神鍛錬の場となりました。
しかし、やはり今回も子供達が大活躍してくれた結果、無事に形が完成しました。
この記事の目次
肉体労働から精神鍛錬の場、そして歓喜へレンガ積み
今回使用した耐火煉瓦はSK34とSK32と言う型番を主に使用しました。
SK34は「縦セリSK-34 T-1」と言う少しテーパーのかかったレンガも使用しました。
耐火レンガ型番 | 最高使用温度 | サイズ |
SK32 | 1350℃ | 230×114×65 3.4kg |
SK34 | 1380℃ | 230×114×65 3.5kg |
SK34 T-1 | 1380℃ | 230×114×65-55 3.2kg |
横セリSK-32 Y-2 | 1350℃ | 230×114×65-50 2.9kg |
土台まで完成しているので、寸法確認も含め耐火レンガを仮置きしてみました。
その数111個、変形耐火レンガが4つ(1個で耐火レンガ8個分)も必要でした・・・。
偶然手に入った変形レンガ、SK34の刻印もある焼却炉用のレンガの未使用品です。
あまりボコボコが欲しくない石窯底部にはうってつけの耐火レンガです。
ここは、レンガをカットしてピッタリサイズで埋めていきます。
石窯底部のレンガは、周りはモルタルで固定しますが石窯の中に当たる部分はモルタルで固定せず、下に砂をひいて高さ調整してあります。
理由は、いずれレンガが風化してきたときに簡単に交換できるようにする為だったのですが、完成した石窯を見たときに中のレンガだけ交換って本当にできるの???って思ったのでモルタルで固定してもいいかもしれません。
石窯本体のレンガ積み開始
注文していた石窯の扉も届き、一気に雰囲気が出てきた石窯の土台。
早速、内径110cmになるようにレンガを並べてみました。
1段目に必要なレンガは25個、最終的には14段のレンガ積んでいくことになります。
少しづつレンガの数は減っていくとは言え、8段目までは20個以上のレンガ積んでいくので全部で200個以上のレンガを使う予定です。最後にしっかり数を数えていないので今度しっかり数えてみます。
レンガを積んでいく時に使用するのは、耐火コンクリートの「アサヒキャスター」。
25kgで4,000円もする高級なコンクリート、最終的に私は10個も使用しました。
私は「Yahoo!ショッピング」と「とあるサイト」を併用することで実質4,000円以下で購入することが出来ました。
詳しくはいずれ別の機会にご紹介できれば思っていますが、気になる方はコメント頂ければご紹介します。
ちょっと一工夫
レンガの目地を一定にしたかったので、目地用の木枠を作りました。木枠の中にアサヒキャスターを流し込んで型枠を外してレンガを乗せる事で、目地の調整時間が大幅に短縮できます。
レンガとレンガのスキマにはカットした耐火レンガをクサビとして打ち込みました。
こうすることでアサヒキャスターの使用量を減らすと共に、石窯の強度アップを図りました。
実際、がっちりと強固な石窯が完成したと思っています。
集中しすぎて1段目施工中の写真は一切ありません。2段目の仮置き時に慌てて撮影しました。
石窯のレンガを積む際、多くの方は木で型枠を作ったり、中に砂を積んで型とされています。
私も色々試行錯誤した結果、土嚢袋に「もみがら」を入れて積み重ね、上部は粘土で成形して型としました。
「もみがら」にしたのは土嚢袋に入れることで流動性が生まれ、ある程度自由に形を変えることが出来るのと石窯が完成した際取り出すのが簡単だと思ったからです。結果としてはうまくいきましたよ。
写真を全然撮る事無く、気がつけば5段目のレンガ積みに突入しています。そして扉も付いていますビックリ。
この頃になると、レンガ積みは苦行以外なんでもありません、結構進んでいるように感じるかもしれませんが、1段25個程度のレンガを積むのにほぼ半日かかっています。
折角、成形した粘土の型が完全に乾燥して縮んでしまっています、再度成形が必要になってしまいました。
6段目、煙突周りのレンガも仮置きしてイメージを膨らまします。
大分、石窯らしくなってテンションが上がりましたが、作業スピードは激低!
傾斜がきつくなってきたこともあり、1段積んだらその日の作業は終了、アサヒキャスターが固まった翌日以降に次の段のレンガ積むことにしたので、石窯完成まで残り8段なので1ヶ月近くかかる計算となりました。
はい!13段目突入です。
間がすっかり抜けてしまいました、デジカメで写真撮影はしていたはずなのですが、データが全くありません。
この頃になるとレンガ積みに慣れてきたのか、レンガを積む作業が楽しく感じられるようになりました。
石窯正面から見ると完成しているような佇まいです。
残すは、1番の難所であり最後の砦、頂上部のみとなりました。
頂上部はレンガと割ったレンガをうまく組み合わせて作りました。
スキマにはアサヒキャスターを流し込んで完成です。
アサヒキャスターを流し込みました。
長かったレンガ積みが完了しました。残すは煙突部と扉のアーチ部分の隙間を「耐火粘土」を使って埋めていく作業が残っています。
石窯ついに完成!!
石窯をつくり始めてから8ヶ月、ついにドーム型石窯が完成しました。
すっかり季節も夏となり、収穫した玉ねぎがアクセントとして追加されました。
内部に残った粘土等のゴミは下の子供2人が石窯内部に入って綺麗に掃除してくれました。
石窯内部の写真です。
下のほうの段には目地があまり目立ちませんが、勾配がきつくなる上部はどうしても目地の部分が多くなってしまいましたが、結構きれいな内部で感動してしまいました。
暗くなって、石窯に火入れをしました。
周りの闇と石窯内部の炎のコントラストが綺麗な1枚となっています。
肝心のピザやパンは写真の取り忘れの為、今回はブログでの紹介はなしとなりました。
次回、ピザやパンを焼くときにはしっかり写真を撮影したいと思っています。
石窯作製にかかった費用
基礎から土台、石窯作製と長い月日もかかりましたが、費用も気になるところだと思います。
私が作った石窯は内径110cmのドーム型とかなり大きなサイズの石窯となっているので使った材料も多くなっています。今後、私と同サイズの石窯を作製したいと思っている方もいるかもしれませんので、参考までに石窯作製にかかった費用をご紹介します。
基礎+土台部費用
商品名 | 価格 | 数量 | 合計金額 |
セメント25kg | 345円 | 20袋 | 6,900円 |
砂20kg | 198円 | 46袋 | 9,108円 |
砂利20kg | 198円 | 45袋 | 8,910円 |
ブロック | 138円 | 66個 | 9,108円 |
ダイヤモンドカッター | 1,180円 | 1個 | 1,180円 |
コンパネ | 1,380円 | 2枚 | 2,760円 |
フネ85L | 2,180円 | 1個 | 2,180円 |
NVボックス | 498円 | 1個 | 498円 |
左官ぐわ | 1,180円 | 1本 | 1,180円 |
異型丸棒13mm 5.5m | 325円 | 5本 | 1,625円 |
ワイヤーメッシュ | 345円 | 6枚 | 2,070円 |
目地ゴテ6mm | 228円 | 1個 | 228円 |
ドーム部
耐火レンガは頂き物なので、費用はかかっていません。
400個以上の耐火レンガを使用しているので、普通に購入したら10万円以上かかる事になります。
横セリSK-32 Y-2 | |||
SK34 T-1 | |||
SK34 | |||
SK32 | |||
扉 | 28,944円 | 1個 | 28,944円 |
アサヒキャスター | 4,298円 | 10袋 | 42,980円 |
耐火レンガ(中国製) | 198円 | 30個 | 5,940円 |
レンガタガネ | 228円 | 1個 | 228円 |
煙突部
120mm×910mm | 978円 | 4個 | 3,912円 |
120mm×455mm | 638円 | 2個 | 1,276円 |
120mmえび曲45度 | 710円 | 2個 | 1,420円 |
120mmH笠 | 1,468円 | 1個 | 1,468円 |
支え脚(450mm) | 578円 | 3個 | 1,734円 |
煙突用2つ割 | 380円 | 3個 | 1,140円 |
以上が石窯作成時に購入した品々で合計135,741円となりました。
耐火レンガを購入した場合は20万円オーバーとなる計算です。ピザを焼くだけの石窯の場合はコレだけのサイズにする必要がないので半分程度の予算で作製できると思います。
石窯をつくってみて
多くの書籍やブログを読みながら石窯をいつかは作ってみたいと思っていたところ、ひょんなことから耐火レンガを大量にいただける事になり、始まった石窯プロジェクト。
頭の中で石窯サイズを考え、フリーハンドで図面を書いて、基礎・土台・レンガ積みと初めてのことばかりの連続だった石窯作製。
正直、楽しさよりも辛かった事のほうが多かったかもしれませんが、石窯が完成した時の達成感は半端ないものでした。
我が家の子供たちは食べ盛りの年齢に突入するタイミングでの完成なので、バンバンピザやパンを焼いて家族を楽しませることが出来たら幸せかな?
最後に、
何事も挑戦あるのみです。石窯作製を考えている方、いきなり耐火レンガだとハードルも高いと思います。
まずは、粘土等簡単に手に入る物で簡易的な石窯(アースオーブン)を作って家族の反応を見てみるのもいいかもしれませんよ、私も初めはアースオーブンを作って家族の反応を確認しましたよ。